この記事の内容
医学部CBTで92.5%を獲得した筆者の勉強方法を、7つのアドバイスとして紹介します。
私は、医学部医学科4年生の時に受けたCBTで92.5%の正答率を獲得することができました。
これは、CBTの勉強法を工夫したおかげだと思っています。
CBTは、医学部の学生にとって非常に重要な試験です。
CBTで高得点を取ることができれば、医師国家試験でも高得点を取ることができる可能性が高くなりますし、知識があると臨床実習も楽しくなるでしょう。
しかし、CBTは多くの学内試験とは異なり、独特の問題形式をしています。
そのため、CBTの勉強法を知らないと、なかなか高得点を取ることができません。
このページでは、CBTの勉強法について、私が実践した7つのポイントを後輩へのアドバイスとして紹介します。
この7つのアドバイスを実践することで、CBTで高得点を取ることができる可能性が高くなるはずです。
ぜひこの記事を参考にして、CBTの勉強に取り組んでください。
CBTの概要
CBT(Computer Based Testing)とは、コンピュータを用いて行われる試験のことです。
共用試験(医学)では、CBTが導入されており、医学部医学科の学生はCBTを受験しなければなりません。
CBTは、従来の紙と鉛筆で行われる試験とは異なり、コンピュータ上で問題が表示され、学生はコンピュータ上で解答します。
CBTには、次のような特徴があります。
CBTの特徴
- 問題がランダムに出題される
- 制限時間がある
- 解答はマークシートではなく、キーボードやマウスで行う
- 採点はコンピュータによって自動的に行われる
CBTは、従来の紙と鉛筆で行われる試験よりも、公平性が高く、採点結果が早く出ることなどのメリットがあります。
しかし、CBTは不慣れな学生にとっては、操作が難しいというデメリットもあります。
医学生にとってのCBTの重要性
医学部医学科の学生にとって、CBTは医師国家試験を受験するために必要な試験です。
CBTは、医師国家試験の勉強において、重要な役割を果たします。
CBTで高得点を取ることができれば、医師国家試験でも高得点を取ることができる可能性が高くなりますし、CBT後の臨床実習も楽しくなるでしょう。
以上のように、CBTは医学部医学科の学生にとって、医師国家試験を受験するために重要な試験です。
CBTの勉強に力を入れることは将来のためにも意味のあることだと私は考えています。
CBT勉強のための7つのアドバイス
ここからは本題に入って、CBTの勉強のための7つのアドバイスを紹介します。
以下で順番に解説します。
1. とにかくQBを解こう
CBTの準備において最も基本的であり、かつ重要なのが「クエスチョンバンク(QB)」を解くことです。
QBとは、メディックメディアという会社が作成したCBTの模擬問題集のこと。
国試版もありますが、この記事ではQBと書いたらCBT版のクエスチョンバンクのことを指すことにします。
QB以外にもCBT向けの問題集はありますが、QBが圧倒的に使いやすいと思います。
その理由は2つ。
「アプリでの回答状況の管理」と「"病気がみえる"との連携」です。
QBはスマホやタブレットのアプリで解くことができ、解いた問題の○×△を記録できます。
また、日々の解いた問題数をあとから確認できたり、問題の進捗状況について大学内でどの位置にいるかを確認できたりします。
そして「病気がみえる」の該当ページへのリンクがあるので、解説を読んで更に深く理解したい場合にとても便利です。
そのため、私はQBを圧倒的におすすめしています。
QBで物足りなくなった場合は、「モントレCBT」がおすすめです。
モントレは無料でできるので、気軽に取り組むことができます。
ここからは、QBの演習方法について解説します。
初めてQBに挑戦する際、その量に圧倒されるかもしれません。
しかし、一つずつ、着実に問題を解いていくことが大切です。特に1周目は、各問題の解説を丁寧に読み、理解を深めることが重要です。
これはかなり時間がかかりますが、根気よく解き続けてください。
問題を解く際には、正解だけでなく、なぜその選択肢が正解なのか、また不正解の選択肢がなぜ間違っているのかを理解することが重要です。
このプロセスを通じて、深い理解と応用力を養うことができます。
CBTではQBと同じ問題がそのまま出題されることはないですが、似たタイプの問題が出る可能性が高いです。
そのため正解の丸暗記ではなく、理解することを意識してください。
私は、自信を持って正解できた問題には○をつけ、少しでも迷った問題には△、間違えた問題には✗をつけることで、自分の弱点を明確に把握しました。
これは、2周目以降に効率的な復習をするのに役立ちます。
QBを解くことは、CBT準備の第一歩です。
例え1日100問のハイペースで進めても、全問題を網羅するのには長い時間がかかるため、早めに始めることが重要です。
そして何より、一問一問を丁寧に解くことが長期的な学習において最も大切だと思います。
QBは大学生協やインターネットで購入することができます。もしまだ持っていなければ、すぐ買いましょう。
低学年の方向けに、CBT受験学年の2月末まで利用可能となるキャンペーンを学校単位で実施している場合があるので、まずは大学生協に行って確認することをおすすめします。
2. 病態や機序の理解を意識しよう
CBTは、単なる暗記で解ける問題も多くありますが、私は病態や機序の深い理解をすることで、より少ない暗記量で多く問題が解けると考えています。
病態の理解は、医学生としての基礎知識を固め、将来の臨床現場においても役立つでしょう。
CBTでは、各疾患の病態や症状が現れる機序、治療が効く理由などの深い理解をしていることで簡単に解ける問題も出ます。
症状や治療の背後にある「なぜ」を自分の中で明確にすることで、複雑な医学的状況に対する洞察力を養うこともできます。
また、病態を理解することは、知識を忘れてしまった場合にも有効なことが多いです。
たとえば、特定の病気の病態が心臓にどのように影響するかを理解していれば、その病気に関連する症状や治療法を予測しやすくなります。
ただし、すべての病気で病態が完全に明らかになっているわけではありません。
そのような場合は、現時点での知識をベースにして、柔軟に学習を進める必要があります。
3. 映像授業は苦手な分野の整理に使おう
映像授業は、CBT準備における有効なツールの一つです。
特に苦手な分野や知識の整理が必要な分野に対しては、映像授業が理解を深めるのに大いに役立ちます。
しかし、注意が必要なのは、映像授業に頼りすぎてしまうこと。
映像授業をただ消費するだけでは、実際の学習効果は限られてしまい、時間だけが過ぎていくので逆に危険です。
映像授業を活用する際のポイントは、自分の学習ニーズに合わせて動画を選ぶことです。
例えば、特定の病態や治療法について深く理解したい場合、それに関連する授業を選んで集中的に学ぶのが効果的です。
また、映像授業の中には、疾患の比較表や視覚的な説明が含まれているものもあり、これらは知識の整理に特に有用です。
映像授業を活用する際のもう一つの重要なポイントは、受動的な学習に陥らないこと。
授業を視聴するだけではなく、重要なポイントを自分なりにまとめることが重要です。
これにより、映像授業から得た知識を自分のものとして確実に定着させることができます。
最後に、映像授業を見る時間は限られていますので、自分の学習プランに合わせて効率的に利用することが鍵です。
苦手な分野の克服や知識の整理に焦点を当て、映像授業を賢く活用しましょう。
4. 模試は必ず受けよう
CBTの勉強において、模試を受けることは非常に有効です。
模試を受けることで、自分の実力を客観的に測ることができるだけでなく、CBTの問題形式に慣れることができます。
また、新しい問題に挑戦し、解説を通じて知識を深めることができます。
さらに、模試の結果を分析することで、自分の苦手分野を知ることができます。
私が受験したときは以下の3種類の模試があり、私はすべて受けました。
- メック模試:受ける人が一番多かった。
- メディックメディア模試:QBオンラインを購入すると受験可能。7割ぐらいの人が受けていた。
- テコム模試:受ける人が一番少ない。学年の2割ぐらいの人が受けていた。
これらの模試を全て受けることで、多くのメリットが得られました。
もし時間と資源が許せば、これらの模試を可能な限り受けることをお勧めします。
すべての模試を受けることができない場合でも、少なくともいくつかは受けるようにしましょう。
私の場合、本番の1ヶ月前、2週間前、1週間前に模試を受けました。
見直しや解き直しの時間を確保するために、余裕を持って受験することが大切です。
実際に、私が受けた模試の経験は、CBTの成功に不可欠でした。
各模試の結果を基に、弱点を特定し、それを克服するための具体的な計画を立てることができました。
特に模試の直後は、間違えた問題や迷った問題を徹底的に復習し、その原因を理解することに重点を置きました。
さらに、模試は試験のプレッシャーに慣れる良い機会でもあります。
本番の試験環境を模倣することで、試験当日の緊張を和らげ、より落ち着いて問題に取り組むことができます。
結論として、CBTの準備において模試は欠かせない要素です。
自分の知識とスキルを正確に把握し、本番に向けての最終調整を行うために、模試を積極的に利用しましょう。
5. 学内試験期間でも並行してCBTの勉強をしよう
CBTの勉強は、長期戦です。
そのため、学内試験期間中であっても、CBTの勉強を継続することが大切です。
学内試験期間中は、CBTの勉強時間を確保することが難しいかもしれませんが、1日5問でも良いので、CBTの勉強をするようにしましょう。
これにより、CBTに関連する知識や問題解決スキルを継続的に磨くことができます。
さらに、短時間であっても定期的に勉強することで、学習の習慣を保ち、試験に向けた準備を進めることが可能です。
学内試験とCBTの両方に対する勉強は、医学知識の総合的な理解を深める良い機会でもあります。
学内試験の準備がCBTの勉強にも役立つ場合があるため、両方の試験に向けた学習を並行して行うことで、より効果的な学習が実現できます。
結論として、学内試験期間中もCBTの準備を怠らずに進めることが、最終的な成功に繋がると思います。
短い時間であっても、コンスタントにCBTの問題に取り組み、知識を維持・拡大していくことが重要です。
6. ざっくりと計画を立てよう
CBTの勉強において、計画を立てることは非常に大切です。
計画を立てることで、勉強の進捗状況を把握することができ、また、モチベーションを維持することができます。
細かい日々のスケジュールを立てる必要はありませんが、大まかな目標や方向性を設定することは、長期的な学習において大きな助けとなります。
例えば、3年生の間に学校の授業で習った問題を解く、春休みには基礎科目を終えるなど、月単位で何をするかのイメージを持つことが重要です。
CBTの勉強は長期戦なので、計画的に進めないと、試験までの時間がまだたくさんあると思い込んでしまいがちです。
それが原因で、気がついたら試験直前になってしまうこともあります。
また、計画を立てる際には、自分自身の学習スタイルやライフスタイルを考慮することが大切です。
全ての人に合う一つの勉強法は存在しないため、自分にとって最も効果的な方法を見つけることが重要です。
計画通りに進まないこともありますが、それは決して悪いことではありません。
計画が狂った場合はネガティブになる必要はなく、新たに計画を立て直し、柔軟に対応することが大切です。
試行錯誤を繰り返しながら、最終的には自分に合った勉強リズムを見つけ出すことができます。
結論として、ざっくりとした計画を立てることで、CBTの勉強を着実に進めることができます。
計画的に学習を進めることで、心の余裕を持ち、試験に向けて焦ることなく準備を進めることが可能です。
7. 楽しもう
勉強、特に長期間にわたるCBTの準備は、時には厳しいものになりがちです。
しかし、学習を楽しむことができれば、モチベーションを維持しやすくなり、効果的な学習が可能になります。
「勉強が楽しいなんて無理…!」と感じるかもしれませんが、問題が解けるようになると、知識がつながり始め、学習が徐々に楽しくなってきます。
例えば、問題集の解説を読むことで、病態や治療法の理解が深まり、それが実際の問題解決に役立つと、学習に対する喜びを感じるようになります。
学習を楽しむためには、適度な休息や息抜きの時間を設けることも重要です。
詰め込みすぎずに、自分なりのペースで勉強することが大切です。
休息を取ることで、新たなエネルギーを得て、再び勉強に取り組むことができます。
自分なりの息抜きの方法も見つけましょう。
私の場合は一人カラオケ、いわゆる「ヒトカラ」でした。
どうしても集中できないときは、1時間だけヒトカラに行く、ということをしていました。
最終的には、勉強を楽しむことさえできれば、それが最大のモチベーションとなり、CBTに向けた準備を成功に導く重要な要素となります。
楽しみながら学習することで、知識を深め、自信を築き、CBT本番に向けて最良の準備をすることができるのです。
最後は精神論になってしまいましたが、意外と大事な要素だと個人的には思っています。
まとめ
CBTの成功は、単に知識を詰め込むこと以上のものを要求します。
効果的な勉強方法の採用、計画的な学習の実施、そして何より学習を楽しむことが重要です。
今回ご紹介した7つのアドバイスは、CBTの準備をスムーズかつ効果的に進めるためのガイドラインとなるでしょう。
- QBを解くことで問題解決スキルを養い、
- 病態や機序の理解を深めることで、より深い医学的知識を獲得し、
- 映像授業を活用することで苦手分野を克服し、
- 模試を受けることで実力を客観的に評価し、
- 学内試験期間中も学習を継続することで、知識の定着を図り、
- 計画的に勉強を進めることで、無駄なく効率的に学び、
- そして何より、学習を楽しむことで、長期的なモチベーションを維持することができます。
CBTの準備は大変な道のりかもしれませんが、正しい方法とポジティブな姿勢で臨めば、必ずや成功に導くことができるでしょう。
この記事があなたのCBT準備に役立つことを心から願っています。